アイドル現場レポ日記

いろんなオタクのレポ置き場

2023-01-01から1年間の記事一覧

100万の星が照る場所のこと-765プロライブシアターこけら落とし公演「Raise the dream!」感想

765プロが新しいプロジェクトをやると聞いたときは、ALLSTARS以上に推すことはさすがにないだろうと思った。ALLSTARSの箱推しをやってきた身として、あんなに最高なアイドルがそう簡単に増えるわけがないと思っていたから、わたしにはALLSTARSがいれば十分だ…

ミモレスカートはオレンジ色

母親は幼い俺にしょうもない嘘をついてからかうのが好きだったから、幼い俺はクリスマスツリーは松の木でできていると思っていたし、交番の前を通るときは背筋を伸ばして歩かないと捕まると思っていた。今も一緒に出かけた先で交番を見かけると、母親はにや…

櫻木真乃を推していた頃

高校生の頃、櫻木真乃を推していた。 当時は「推し」という単語が今ほど普及していなかった時代だったから、「推しは櫻木真乃です!」みたいな自己紹介をしたことがあるわけではない。「推し」ということばが生まれたから、遡って高校生のぼくは櫻木真乃を推…

野々原茜生誕祭2023「すーぱー茜ちゃんたいむ~茜ちゃんに痺れろッ!憧れろォッ!!~」FC限定公演レポ

2023.12.3 sun op 14:00/st 14:30 @765プロライブシアター 野々原茜生誕祭2023「すーぱー茜ちゃんたいむ~茜ちゃんに痺れろッ!憧れろォッ!!~」FC限定公演に行ってきました。誕生日じゃなきゃできないような内容ですごく楽しかったので、備忘も兼ねてブロ…

わたしの青春は全部田中摩美々だった

わたしの青春は全部田中摩美々だった。16歳だったわたしにとって摩美々の髪のむらさき色はそれまでの高校生活が色褪せるくらい鮮烈で、そこから大学を卒業するまで摩美々はわたしの生活の中心であり続けた。 茶髪にも染めるつもりがなかった髪を、高校卒業と…

ヒーローガールと逆張りオタク

社会人になってようやく女児アニメを楽しめるようになった。 メインターゲットだったはずの女児当時は本ばかり読んでいる無口な子どもだったし、学生時代は学生時代でひねくれたオタクだったから、考察という名の深読みをさせてくれる小難しいアニメや何言っ…

肺からあふれ出るきみの名前は澄むべきだから

適当に買ったカップラーメンをデスクで食べ終えて、ぼんやりとタイムラインをスクロールしてから共用の喫煙所に行く。カップ麺のスープでコーティングされていた舌が、キャスター5ミリの煙に浸食されていく。 煙草が好きかと言われると、ただ習慣になってい…

カミサマ推しのわたしたち

アイドル文学論レポート カミサマ推しのわたしたち

持続可能なパステル・パープル

思えば小糸と一緒に大人になった。 小糸とわたしは同い年で、小糸がアイドルとして大きくなっていくのを全部見てきた。デビュー当初は控えめで、目立ってなんぼのアイドルなのに透たちのうしろに隠れてさえいた小糸が、それでもファンレターの返事に「アイド…

普通の人生

そういえば彼氏とも別れたんだよねー、と事も無げに告げられたのはもういい加減お酒も回ってお開きにしようかというタイミングで、アルコールのせいで「えええっ!」と想定より大きな声が出た。 女子会とは名ばかりの、十年来の友達ふたりでたまに集まってお…

ラーメン屋、或いはタワレコの聴覚

近所に新しく家系のラーメン屋ができたので行く。 新しくと言ってもかつてあったそこまでおいしくない別のラーメン屋の居抜きで、とは言え吉祥寺にある有名な家系の系譜だというので、一応期待して入った。 店員の愛想はよく、席はカウンターのみ。注文から…

他人事は面白い

「なんでそんなに浮気するんですか」 「浮気なんてしてないよ、誰とも付き合ってないし」 「あなたが浮気しているんじゃないかって疑ってる人間全員、あなたが自分と付き合ってると思ってますよ」 「面倒だな……。そもそも付き合う付き合わないの口約束になん…

ガチ恋つらい

ガチ恋なんて正気に戻ったら負けで最後まで立ってた奴の勝ちだ。絶対に叶わない恋に0.1%の希望を見出し続けること、将来が怖くなって手の届く範囲にある保険の恋愛に妥協しないこと。負けていった同担のことを今でも少し思い出す。 咲耶が二十歳になった。…