アイドル現場レポ日記

いろんなオタクのレポ置き場

100万の星が照る場所のこと-765プロライブシアターこけら落とし公演「Raise the dream!」感想

765プロが新しいプロジェクトをやると聞いたときは、ALLSTARS以上に推すことはさすがにないだろうと思った。ALLSTARSの箱推しをやってきた身として、あんなに最高なアイドルがそう簡単に増えるわけがないと思っていたから、わたしにはALLSTARSがいれば十分だと思っていた。全国ツアーをあっちこっち追っかけて、横アリでM@STERPIECEを聴いてぼろ泣きしたり、幕張でToP!!!!!!!!!!!!!を聴いてぼろ泣きしたりする時間が続けばそれでいいって。

 

結論から言えば、765プロライブシアターのこけら落とし公演のチケットはちゃっかり先行抽選で取ったし、推しは39人増えた。だって、無理じゃん、あんなの見せられて、好きにならないでいるのとか。

39人一斉にデビュー!とかだったら、顔と名前が一致しなくて情報についていくのに苦労して諦めていたかもしれないけど、原っぱライブで765プロらしいフリーダムさを見せつけられたうえで(今考えたら、765プロのやることだしとりあえず行くか…という気持ちで原っぱライブを見に行った時点で、わたしの気持ちはしっかり傾いていたのかもしれない)、チームごとのデビューでゆっくり覚える暇を与えられてしまったせいで、結局全チームのCDを買いそろえていた。それぞれのチームの曲の雰囲気もうまい具合にばらけていて、気づいたら沼にずぶずぶだった。事務所の戦略にこうもわかりやすく搦めとられるオタク精神! 765プロ大好き!

おかげでこけら落とし公演も、誰一人知らない子がいない状態で楽しめた。初々しくて、でも全員もうプロの顔をしていて、ALLSTARSに教えられたアイドルという存在の力をもう一度教わった気がした。

 

音源や番組でたくさん聞いたチーム曲を生で聞けたのがまず良かった。海風とカスタネットのサビの合いの手ができたのはうれしくてたまらなかったし、トワラーはジュリアちゃんの歌い出しがあまりにイケボで鳥肌が立った。Star Impressionみたいなゴリゴリにかっこいい曲からUnknown Boxの開き方みたいにかっっっわいい曲まで振れ幅がすごくて、ミリオンスターズはこれだけいろんなことをやれるし、これからファンにいろんな景色を見せてやるっていうメッセージみたいだった。よそ見する暇ないからねって宣言にも見えたし、そんなこと言われなくてもきっともう目を離せない。

ソロ曲も、本当に新人公演?って思うくらい充実していてびっくりした。翼ちゃんのソロでバックダンサーやってた3人、全員キレがすごくてかっこよかった。体幹がまったくブレてなくて。そもそもロケットスター☆という曲自体が強すぎるというか、サビのとろけそうなハイトーンボイスがずっと耳の中で無限ループしてる。あの舞台上での華はミキミキのカリスマを思わせるけど、これから翼ちゃんはどんなアイドルになっていくんだろう。すごく楽しみ。

あと、まつり姫のソロが本当に楽しかった。おとぎ話というよりパレードみたいな、たった一人で会場全体をお祭りにしてしまうパワーがあった。トップバッターでセンターを張ってからすぐにソロまでこなす気概、あまりにも強すぎる。今どきのお姫様はもうか弱くないんだ。まつり姫をただのふわふわお姫様アイドルだと思っている人は一度この公演のアーカイブを見てほしい。見なさい。

 

sentimental Venusの途中で音響が死んだ時は、客席にいるだけなのに冷や汗が出た。スタッフさんや、何よりも舞台上にいた杏奈ちゃんたちはどれほど焦っただろう。ステージ慣れしている今のALLSTARSならなんか自力でどうにか出来てしまうだろうという信頼もあるけど、そうじゃない新人の3人が客席を巻き込んで場を繋いだのは終演後ぜったいぜったいたくさん褒められていてほしい。あの空気、途中で泣き出したっておかしくなかったのに、捌けるときまで笑顔だったの偉すぎたから。(客席の後ろから止まるなって叫んだのは確実に千早さんだった。ALLSTARSのオタクなら声だけでわかるよ。やっぱ後輩の公演とかちゃんと見に来るタイプだよね……。)

 

杏奈ちゃんたちが捌けて静かになってしまったステージに向けて誰かが手拍子を始めたとき、たぶんわたしを含めたALLSTARSのライブ経験者がまず意図を察した。ALLSTARSのライブが始まるのを待ちきれないわたしたちが散々打ってきた手拍子を今ここで打つことの意味は、絶対アイドルのみんなに伝わると思った。大丈夫、待ってるから、がんばれ、って祈りをオレンジのサイリウムに乗せた。

 

音響トラブルで流れが崩れないか心配だったけど、その後に出てきた紬ちゃんの迫力がすごくてトラブったことなんて一瞬で忘れられた。ライブ前の茜ちゃんねるの配信に映っていた紬ちゃんはかなりガチガチに緊張しているように見えて、よりによってこの流れからで大丈夫かな……と心配したのもつかの間、震えなんて微塵もない歌声が飛んできて客席全体が息をのんだのがわかった。おしとやかクールに見えていた紬ちゃんの熱さに度肝を抜かれたのはわたしだけじゃなかったはずだ。

それに続いた歌織さんは口からCD音源が出ていた。歌がうますぎる。あずささんの歌を聴いた時もよく思うけど、あれだけうまいと歌うのめちゃくちゃ楽しいだろうな……。

 

Team 8thのデビュー曲がトリだったのも死ぬほどエモかった。1stからここまでずっと追ってきたアイドルたちがバトンをつないでこの劇場のこけら落としにたどり着いたんだと思うと、しかもこれがゴールじゃなくてアイドルたちの未来の始まりなんだと思うと、泣かないわけにいかなかった。締めは王道アイドルソングで来るのかと思ったら、曲調もゆったりなおしゃれ路線だったから余計に涙腺に来た。ペンラを握りしめて泣いてたら急に頭をなでられて、驚いて涙をぬぐったら横にエレナちゃんがいて今度は心臓が止まった。ただでさえ情緒が忙しいタイミングで客降り演出をするな。(嘘です、本当にありがとうございます。)

 

アンコールは39人フルメンバーがステージ上に揃って、どの瞬間にどこを向いても大好きなアイドルがいた。ALLSTARSがいれば十分だなんてことはなかった。大好きが増えるのが悪いことなわけがない。未来ちゃんがMCで言っていた、シアターから夢を届けられるアイドルになりたいという願いは、アイドル当人たちにもわたしたちファンにとっても、これからずっと大事な願いになるのだと思う。

ALLSTARSもミリオンスターズも、すべてがわたしにとって人生を照らしてくれる星になる。その明るすぎる幸せを、ぎゅっと抱きしめながら夜のゆりかもめに乗った。